研究ブタ野郎のブログ

博士課程で経験したことを残していきます。

手術を受けました

題目の通り、5月の初めに手術を受けてきました。
どんな手術なのかというと、ICLと呼ばれる視力矯正手術です。
今回は手術を受けようと思った動機やどんな手術だったのかなど、体験記として残そうと思います。

ICLとは

ICLは眼内コンタクトレンズのことで、眼の中にコンタクトレンズを埋め込んで視力を矯正する手術です。
よく聞くレーシックは角膜を削って視力を矯正する手術です。
以下のリンクに詳しく説明があります。

ICL(眼内コンタクトレンズ)| 先進会眼科

レーシックとICLのメリット・デメリット

自分が調べたり感じたメリット・デメリットは以下のとおりです。(ほとんど上のリンクに書かれていることです。)

メリット

ICL

  • 視力が半永久的に保たれる
  • 何かあれば取り出して、元の視力に戻せる

レーシック

  • 価格が安い(30万ほどと自分は言われた)

デメリット

ICL

  • レーシックに比べれると高い(50万した)
  • レンズのサイズが眼に合っていないと再手術(レンズを入れる箇所の計測は不可能らしい)
  • 術後の点眼を怠ると感染症にかかる(かもしれないらしい)
  • 術後の点眼が若干めんどくさい(1ヶ月間1日4回点眼する)
  • 数日前からコンタクトをつけないよう言われる(自分はコンタクトは使わないので関係なし)

レーシック

  • 10年ほどすると視力が少し戻る可能性がある(父親は10年前にレーシックをして、今は近視用メガネを使用している)
  • ドライアイがICLよりはひどい(らしい)

手術の動機

4月上旬ごろにTwitterを見ていると、「数十万でQOLが劇的に向上したもの」みたいなツイートが流れてきました。そこにレーシックとあり、気になって調べたことが始まりです。
10年ほど前に父親がレーシックをしていて、その時はかなり痛がっていた印象があって自分は絶対にしないと心に決めていたのですが調べるうちにやってみようという気持ちが強くなりましたね。
また、来年4月から東京で就職するので災害があったときに眼鏡がないと見えないというのは少し怖いなという感情もありました。

手術までとその後の流れ

4月中頃 病院で検査と診察
4月中旬 病院で手術方法の決定と再度詳細な検査
5月上旬 手術
手術翌日 翌日検診
1週間後 1週間検診
1ヶ月後 1ヶ月検診

検査はレーシック用の検査とICL用の検査が分かれているようで、はじめはどちらの手術をするか決めていなかったのでかなりたくさんの検査を受けました。
検査後は医者から「あなたの視力は〇〇で、眼の状況は△△なのでレーシックもICLもできますがどちらがいいですか」といった感じで進んでいきました。
私は右目の度数が-6、左が-5.5で眼の異常もなかったため、どちらでもOKと言われました。1

なぜICLにしたのか

はっきりいってどちらでも良かったのですが、以下の点でICLにすることにしました。
1. 視力が長期間安定する
2. レーシックはドライアイが進む
3. レーシックは痛そう (父親の体験)
4. 新しい物好き

最大の理由は1です。せっかくお金を出して手術するのに、10年後に再手術なんてあり得ません。また老眼や白内障になれば老眼鏡やICLを考える必要があるので、それであればICLだろうと考えた感じです。

乱視について

妥協した点は乱視用レンズです。
軽度の乱視があったようなのですが、以下の観点から乱視用のレンズを導入するのはやめました。
1. 価格が跳ね上がる
2. 眼の中でレンズが動くと視力に影響する。ひどいと再手術となる。

1について、乱視用のレンズは乱視の度数が1以上?(はっきりと覚えていない)を想定して作られるそうです。私はそれよりも少し乱視が弱いためレンズを専用で作る必要があると言われました。それに10万円かかり、乱視のICLは通常ICLにプラス10万円で合計70万円と言われました。
以上の理由と2の理由から、「これは無理」と判断して乱視用レンズの導入はやめました。

手術当日

病院に到着

15時からの手術でした。
病院に行くと、飲み薬(何のかは忘れた)を飲まされ点眼をされます。

手術の準備

眼鏡を外し、テレビで見るような手術を受ける人が被る帽子的なものと服を着させられ手術室前の待合室で待たされます。
そこではふかふかの椅子に座らせられ、何度も何度も目薬を刺されます。回数が分からないくらい。しかも目を閉じて待つように言われます。(目薬が効くまで)長いこと待つのですが、事前にそういった説明がなかったので忘れられているのではないかと本気で心配しました。2

手術室へ

基本的には眼鏡を外しているので何も見えません。事前の説明とYouTubeの動画、なんとなく見えた雰囲気的に、かなり大きな部屋に手術を受ける用の椅子と待つ用の椅子があり、歯医者のような感じでした。
待つ用の椅子に座ると、看護師さんが眼の周りに消毒液を塗りたくってきました。

手術

手術をするときは片目部分だけ穴が空いたマスクをつけ、眼に器具が装着されまばたきをしないよう固定されます。
手術は茶目の部分にメスで3mmほどの穴をあけレンズを挿入するらしいのですが、眼に強い光が当てられているので、メスが見えたりすることはありません。また、切られている感覚等もなく、ただ何かしているなという感じです。
面白かったのが、手術前は眼に見えるものが全てぼやけている(近視のため)のですが、手術中にだんだんとクリアに見えてきます。3 そのため、今レンズが入っているんだなというのがわかるのが面白かった点です。
眼科に行く人は体験したことがあるかもしれませんが、手術中は常に眼に液体が当てられます。この眼に液体を当てられるというのが自分の場合はかなり体力を消耗するようで、手術後はかなり体がだるかったです。
手術は体感20分ほどで終わった気がします。

手術の様子が以下の動画で見ることができます。眼球の映像が出るので、苦手な人は注意。 www.youtube.com

術後

術後から基本的には見えるようになります。ただかなりぼんやりしているため、人混みを歩くのはかなり注意が必要です。
私はGW中の大阪で手術を受けたので、病院から駅に行くまでが大変でした。
術後は当日はお風呂に入らないように言われます。また、4日ほどは髪の毛や洗顔をしないよう言われます。これは眼に水はお湯が入らないようにするためです。これがかなりキツかったです。4
また眼の感染症予防のために、1週間は1日4回3種類の点眼、その後は1ヶ月間1日4回2種類の点眼があります。術後1週間は保護メガネの装着もあります(寝るときもつける)。

手術が終わり1時間かけて電車で自宅に帰ったのですが、ここからが大変でした。家に着いた途端に気分が悪くなり、ご飯はもちろん食べられないし、吐きまくりました。
結果、翌日の午前中に検診にいった後、友人と遊ぶ予定が合ったのですが遊ぶどころか検診にすら行けなくなりました。しかしながら、15時ごろにはあるていど動けるようになったので、なんとか病院で検診を受け帰宅できました。その頃には完全に体調は回復し、視力も検査では両目とも1.2まで出ていました。5
気分が悪くなった原因は、自分的には急激な視力の変化に体が付いていかなかったのかと思ったのですが、医者的には「手術前に笑気麻酔をしていたから、それが切れて気分が悪くなったのかもしれない」と言われました。ただあまりないケースらしく、はっきりとは分からないままです。

その後

現在手術から1ヶ月経ちましたが、その間痛みは一切ありません。今回の手術を通して一度も痛いという感覚がないです。これがかなり不思議な点です。
視力は両眼とも1.5まで出ていて、驚くほど綺麗に見えます。
例えると、今まで眼鏡で見ていた世界がフルHD手術後は4Kと言った感じです。

気になる点

1点気になるのが夜間の見え方です。
基本的には綺麗に見えるのですが、夜に外を歩いていると街頭や車のライトが少し広がってぼやけて見えます。また、街灯などの光を中心に光の輪が見えます。
これは事前に説明を受けていて、ハローグレアと呼ばれる後遺症のようなものとレンズの形から生じるものだそうです。ICLのレンズには眼の中での水の通りを良くするために中心に小さな穴が開いており、それが夜間になると光の輪として見えると言われていました。
実際に見えるとかなり眼が騒がしくなります。それもあって夜間はレンズを通して外を見ている感覚が否めないといった印象です。ただ、ある程度すると慣れてくるとのことですし、私自身が夜にあまり出歩かないタイプの人間なのでそこまで気にしていません。

最後に

ICLをして良かったか、QOLは上がったかについてです。
結論としてはして良かったです。しかしQOLが上がったかと言われれば、そんなに変わらないかなといった印象です。
その要因としては、自分はコンタクトを使わず眼鏡で生活していたので、コンタクトの費用や手入れがなかった点であると考えます。
しかし、眼鏡の時よりは明らかに綺麗に見えますし、マスクで眼鏡が曇るというイライラ事項からの解放や災害時の眼鏡破損のリスクの除去といったことを考えれば手術をして良かったです。

もしこれをここまで読んでくれた私の友人で、ICLやレーシックに興味がある人はLINEかインスタのDMをくれれば紹介状を渡しますよ。少しだけ安くなります。6
また、今学生の方は学割で2万円くらい安くなりましたよ。7

最後に一言

裸眼は素晴らしい!!


  1. 視力は右0.05、左0.08、軽度の乱視あり(乱視の度数: 0.75くらいだったはず)

  2. 実際、後日検診でおとづれた際にそのことでクレームをつけているおばさんがいたので、「みんなそういう説明を受けてないのかぁ」と思ったほどです。

  3. 見えるといってもメス等が見えるのではなく、眼に当てられている液体がクリアになるだけ。

  4. 男で髪の毛が短い私できついので、女性はもっときついと思います。もし嫌ならば医者に相談するべきですね。

  5. 起きたときから前日とは比べ物にならないくらい綺麗に見えていて感動したのですが、それ以上に体調が悪くそれどころではありませんでした。

  6. 病院は東京、大阪、福岡にあり2万円安くなります。

  7. 私は博士課程ですが学割が使えました。