研究ブタ野郎のブログ

博士課程で経験したことを残していきます。

手術を受けました

題目の通り、5月の初めに手術を受けてきました。
どんな手術なのかというと、ICLと呼ばれる視力矯正手術です。
今回は手術を受けようと思った動機やどんな手術だったのかなど、体験記として残そうと思います。

ICLとは

ICLは眼内コンタクトレンズのことで、眼の中にコンタクトレンズを埋め込んで視力を矯正する手術です。
よく聞くレーシックは角膜を削って視力を矯正する手術です。
以下のリンクに詳しく説明があります。

ICL(眼内コンタクトレンズ)| 先進会眼科

レーシックとICLのメリット・デメリット

自分が調べたり感じたメリット・デメリットは以下のとおりです。(ほとんど上のリンクに書かれていることです。)

メリット

ICL

  • 視力が半永久的に保たれる
  • 何かあれば取り出して、元の視力に戻せる

レーシック

  • 価格が安い(30万ほどと自分は言われた)

デメリット

ICL

  • レーシックに比べれると高い(50万した)
  • レンズのサイズが眼に合っていないと再手術(レンズを入れる箇所の計測は不可能らしい)
  • 術後の点眼を怠ると感染症にかかる(かもしれないらしい)
  • 術後の点眼が若干めんどくさい(1ヶ月間1日4回点眼する)
  • 数日前からコンタクトをつけないよう言われる(自分はコンタクトは使わないので関係なし)

レーシック

  • 10年ほどすると視力が少し戻る可能性がある(父親は10年前にレーシックをして、今は近視用メガネを使用している)
  • ドライアイがICLよりはひどい(らしい)

手術の動機

4月上旬ごろにTwitterを見ていると、「数十万でQOLが劇的に向上したもの」みたいなツイートが流れてきました。そこにレーシックとあり、気になって調べたことが始まりです。
10年ほど前に父親がレーシックをしていて、その時はかなり痛がっていた印象があって自分は絶対にしないと心に決めていたのですが調べるうちにやってみようという気持ちが強くなりましたね。
また、来年4月から東京で就職するので災害があったときに眼鏡がないと見えないというのは少し怖いなという感情もありました。

手術までとその後の流れ

4月中頃 病院で検査と診察
4月中旬 病院で手術方法の決定と再度詳細な検査
5月上旬 手術
手術翌日 翌日検診
1週間後 1週間検診
1ヶ月後 1ヶ月検診

検査はレーシック用の検査とICL用の検査が分かれているようで、はじめはどちらの手術をするか決めていなかったのでかなりたくさんの検査を受けました。
検査後は医者から「あなたの視力は〇〇で、眼の状況は△△なのでレーシックもICLもできますがどちらがいいですか」といった感じで進んでいきました。
私は右目の度数が-6、左が-5.5で眼の異常もなかったため、どちらでもOKと言われました。1

なぜICLにしたのか

はっきりいってどちらでも良かったのですが、以下の点でICLにすることにしました。
1. 視力が長期間安定する
2. レーシックはドライアイが進む
3. レーシックは痛そう (父親の体験)
4. 新しい物好き

最大の理由は1です。せっかくお金を出して手術するのに、10年後に再手術なんてあり得ません。また老眼や白内障になれば老眼鏡やICLを考える必要があるので、それであればICLだろうと考えた感じです。

乱視について

妥協した点は乱視用レンズです。
軽度の乱視があったようなのですが、以下の観点から乱視用のレンズを導入するのはやめました。
1. 価格が跳ね上がる
2. 眼の中でレンズが動くと視力に影響する。ひどいと再手術となる。

1について、乱視用のレンズは乱視の度数が1以上?(はっきりと覚えていない)を想定して作られるそうです。私はそれよりも少し乱視が弱いためレンズを専用で作る必要があると言われました。それに10万円かかり、乱視のICLは通常ICLにプラス10万円で合計70万円と言われました。
以上の理由と2の理由から、「これは無理」と判断して乱視用レンズの導入はやめました。

手術当日

病院に到着

15時からの手術でした。
病院に行くと、飲み薬(何のかは忘れた)を飲まされ点眼をされます。

手術の準備

眼鏡を外し、テレビで見るような手術を受ける人が被る帽子的なものと服を着させられ手術室前の待合室で待たされます。
そこではふかふかの椅子に座らせられ、何度も何度も目薬を刺されます。回数が分からないくらい。しかも目を閉じて待つように言われます。(目薬が効くまで)長いこと待つのですが、事前にそういった説明がなかったので忘れられているのではないかと本気で心配しました。2

手術室へ

基本的には眼鏡を外しているので何も見えません。事前の説明とYouTubeの動画、なんとなく見えた雰囲気的に、かなり大きな部屋に手術を受ける用の椅子と待つ用の椅子があり、歯医者のような感じでした。
待つ用の椅子に座ると、看護師さんが眼の周りに消毒液を塗りたくってきました。

手術

手術をするときは片目部分だけ穴が空いたマスクをつけ、眼に器具が装着されまばたきをしないよう固定されます。
手術は茶目の部分にメスで3mmほどの穴をあけレンズを挿入するらしいのですが、眼に強い光が当てられているので、メスが見えたりすることはありません。また、切られている感覚等もなく、ただ何かしているなという感じです。
面白かったのが、手術前は眼に見えるものが全てぼやけている(近視のため)のですが、手術中にだんだんとクリアに見えてきます。3 そのため、今レンズが入っているんだなというのがわかるのが面白かった点です。
眼科に行く人は体験したことがあるかもしれませんが、手術中は常に眼に液体が当てられます。この眼に液体を当てられるというのが自分の場合はかなり体力を消耗するようで、手術後はかなり体がだるかったです。
手術は体感20分ほどで終わった気がします。

手術の様子が以下の動画で見ることができます。眼球の映像が出るので、苦手な人は注意。 www.youtube.com

術後

術後から基本的には見えるようになります。ただかなりぼんやりしているため、人混みを歩くのはかなり注意が必要です。
私はGW中の大阪で手術を受けたので、病院から駅に行くまでが大変でした。
術後は当日はお風呂に入らないように言われます。また、4日ほどは髪の毛や洗顔をしないよう言われます。これは眼に水はお湯が入らないようにするためです。これがかなりキツかったです。4
また眼の感染症予防のために、1週間は1日4回3種類の点眼、その後は1ヶ月間1日4回2種類の点眼があります。術後1週間は保護メガネの装着もあります(寝るときもつける)。

手術が終わり1時間かけて電車で自宅に帰ったのですが、ここからが大変でした。家に着いた途端に気分が悪くなり、ご飯はもちろん食べられないし、吐きまくりました。
結果、翌日の午前中に検診にいった後、友人と遊ぶ予定が合ったのですが遊ぶどころか検診にすら行けなくなりました。しかしながら、15時ごろにはあるていど動けるようになったので、なんとか病院で検診を受け帰宅できました。その頃には完全に体調は回復し、視力も検査では両目とも1.2まで出ていました。5
気分が悪くなった原因は、自分的には急激な視力の変化に体が付いていかなかったのかと思ったのですが、医者的には「手術前に笑気麻酔をしていたから、それが切れて気分が悪くなったのかもしれない」と言われました。ただあまりないケースらしく、はっきりとは分からないままです。

その後

現在手術から1ヶ月経ちましたが、その間痛みは一切ありません。今回の手術を通して一度も痛いという感覚がないです。これがかなり不思議な点です。
視力は両眼とも1.5まで出ていて、驚くほど綺麗に見えます。
例えると、今まで眼鏡で見ていた世界がフルHD手術後は4Kと言った感じです。

気になる点

1点気になるのが夜間の見え方です。
基本的には綺麗に見えるのですが、夜に外を歩いていると街頭や車のライトが少し広がってぼやけて見えます。また、街灯などの光を中心に光の輪が見えます。
これは事前に説明を受けていて、ハローグレアと呼ばれる後遺症のようなものとレンズの形から生じるものだそうです。ICLのレンズには眼の中での水の通りを良くするために中心に小さな穴が開いており、それが夜間になると光の輪として見えると言われていました。
実際に見えるとかなり眼が騒がしくなります。それもあって夜間はレンズを通して外を見ている感覚が否めないといった印象です。ただ、ある程度すると慣れてくるとのことですし、私自身が夜にあまり出歩かないタイプの人間なのでそこまで気にしていません。

最後に

ICLをして良かったか、QOLは上がったかについてです。
結論としてはして良かったです。しかしQOLが上がったかと言われれば、そんなに変わらないかなといった印象です。
その要因としては、自分はコンタクトを使わず眼鏡で生活していたので、コンタクトの費用や手入れがなかった点であると考えます。
しかし、眼鏡の時よりは明らかに綺麗に見えますし、マスクで眼鏡が曇るというイライラ事項からの解放や災害時の眼鏡破損のリスクの除去といったことを考えれば手術をして良かったです。

もしこれをここまで読んでくれた私の友人で、ICLやレーシックに興味がある人はLINEかインスタのDMをくれれば紹介状を渡しますよ。少しだけ安くなります。6
また、今学生の方は学割で2万円くらい安くなりましたよ。7

最後に一言

裸眼は素晴らしい!!


  1. 視力は右0.05、左0.08、軽度の乱視あり(乱視の度数: 0.75くらいだったはず)

  2. 実際、後日検診でおとづれた際にそのことでクレームをつけているおばさんがいたので、「みんなそういう説明を受けてないのかぁ」と思ったほどです。

  3. 見えるといってもメス等が見えるのではなく、眼に当てられている液体がクリアになるだけ。

  4. 男で髪の毛が短い私できついので、女性はもっときついと思います。もし嫌ならば医者に相談するべきですね。

  5. 起きたときから前日とは比べ物にならないくらい綺麗に見えていて感動したのですが、それ以上に体調が悪くそれどころではありませんでした。

  6. 病院は東京、大阪、福岡にあり2万円安くなります。

  7. 私は博士課程ですが学割が使えました。

学振採用された件

先月学振の結果が発表され、無事1次での採用内定でした!!
昨年度の申請では補欠からの不採用で2月まで結果を待たされたので、今年度は心のゆとりができました。また、採用率は現段階で16%ほどなので多少自信は持っていいのかなと思っています。
昨年度の結果について書いた記事は以下のリンクです。(この記事が地味に閲覧数が伸びている。)

sophia-memo.hatenablog.com

今回は去年同様、振り返りと参考にした資料などを書いていこうと思います。

研究実績

査読あり論文: 国内雑誌1報, 国際雑誌1報
査読なし論文: 2報
学会発表: 国内ポスター4, 国内口頭5(招待講演1), 国際口頭2
受賞: なし
その他: 大学の特別奨学金, 大学の研究奨励金
昨年と比べて, 国際誌への査読論文と国際学会への参加が増えました。しかし、Twitterなどを見ていると実績がなくても採用内定している人も見かけるので、聞いていたほど実績は関係ないのかなと思っています。

書類作成時の思い出

同大学他学科の友人が声を掛けてくれて、時間を合わせて週一回2時間くらいを使って意見交換をすることにしました。書き始めたのは3月中旬くらいから。第一版が完成したのが4月中旬で、案の定担当教員からは指摘はありませんでした。ただ申請書は関与してくれませんが推薦書は全部書いてくれるので、大変助かりました。(友人の先生は書いてくれないらしく、自分で書いて先生の名前で提出してもらったらしい)
そこで助教の先生二人と隣の研究室の教授に協力していただき、なんとか完成に漕ぎ着けました。大学に残っている強い先生たちの指摘はかなり鋭く、こういった目のつけ方をしているから研究でも結果が残せて大学に残れるのだなと改めて感じました。
今年から様式が大幅に変わりかなり苦労しました。特に苦労したのが、「研究遂行力の自己分析」と「目指す研究者像」です。この二つの項目は参考にできる過去の資料がないし、自分自身が優れているアピールをする必要があるので書きにくかったです。(自己分析をすればするほど、自分が優れていなことが見えてきてしまう)

参考にした資料など

Dr. クラゲさんの研究室

学振必勝講座というタイトルで解説してくれています。

www.youtube.com

大上先生の学振本

様式変更にも対応されていて、気を付けるべきことが見やすく解説されています。また、学振に採用された後のことも書かれているので買って損はないかと思います。

科研費.com

採用された過去の申請書などが掲載されています。学振を書くのに最も必要なことの一つとして、過去の申請書からの情報収集が挙げられると思います。 xn--w8yz0bc56a.com

文部科学省の資料

だいぶ古い資料ですが、国が博士課程の学生に対してどう考えて、何を望んでいるかがわかる資料なので参考になると思います。 www.mext.go.jp

まとめ

今年は昨年の反省を踏まえて、4人の先生に添削をお願いしました。多くの人に見て貰えばその分様々な視点で意見がいただけたので、そこでかなりブラッシュアップできたと思っています。お世話になった人と学振焼肉をしたいとこですが、こんなご時世なので東京に行った時にでも高級なお菓子をお土産に買って帰ろうと思います。
また、所属研究室、所属学科で初の学振採用者とのことで教授たちの間でも話題になっているそうです。
地方私大で先輩にも学科にも学振採用者がおらずノウハウ0の博士課程学生でも学振を取れるぞということが証明できたので、同じような境遇にいる人はぜひ頑張っていただきたいなと思います。

初の国際学会での発表

2月以来の更新です。

博士課程2年生になり、学振も再度提出し、日々研究をしています。 そして先日、初めて国際学会で発表することができました。国際学会での発表は修士課程での目標にしていたのですが、論文投稿や修論、コロナなどの影響がありやっとの達成となりました。

今回は初めての国際学会に向けての準備や当日の感想などを書きたいと思います。学会といっても、zoomを使ってオンラインで行われるタイプの学会です。

準備

まずは準備について。
発表の持ち時間がwebに書かれていなかったので、学会の約1ヶ月前にメールで問合せをしました。
そのあとはスライド、発表原稿を作成し練習あるのみ。
(この準備がまじでしんどい)
スライド作成の参考にしたのは、「できる研究者のプレゼン術」と「スティージョブズ 驚異のプレゼン」の二冊です。特に、「できる研究者のプレゼン術」は研究者が発表するのに特化した本でした。

www.amazon.co.jp

www.amazon.co.jp

当日

北京時間を基準に学会が動いていたので時差に関しては全く問題なかったです。ヨーロッパからの参加者は朝の3時から始まっていたみたいです。
自分の発表は22時からでした。
ここがオンライン学会の一番しんどいところかもしれませんね。
また、世界各地から参加者がいたのですが、日本人は確認できただけでは自分だけでした。

発表

セッションの2番目だったのですが、1番目の人が会場におらず繰り上げで発表することに。
zoomのミュート解除や画面ON、スライドの共有などバタバタして発表開始になってしまいました。
発表自体は練習通りにできたと思います。英語の発音やアクセントはThe 日本人だと思いますが、、、
国内学会もそうなのですが、zoomでの発表はセッションの座長以外はカメラがOFFになっているので、発表といっても練習の時と何も変わりません。
ただ、相手の顔が見えないので本当に聞いているのかわからない点が欠点ですね。
さらに、Q&Aでは座長が一言話してミュートにしたので、数秒間無音の状態が続いてかなり気まずかったです、、、

まとめ

本当ならフランスに行くはずだったので、いろいろ観光したいなと思っていたのにオンラインになり、セッションの1番目に人がおらず繰り上げ発表になったりと、想定外のことが多くありました。
また、質問もされず(オンライン学会では全体的に質問がされない傾向にあると思ってる)、ただただ発表実績を作っただけになりました。

最後に自分が思ったのは、二度とオンラインの国際学会には参加したくないということですね。準備に対するリターンが無さすぎます。
国内学会もですが、いい加減現地で発表がしたいです。

学振に落ちて思ったこと2

前回は学振の申請時のことについてでしたが、今回は実際に落ちてどう思ったかを書いていこうと思います。

補欠の採用不採用の発表は2月末にあったのですが、かなり待たされて、しかも博士課程向けの新制度*1は学振補欠者かどうかは関係ないといった話も聞いたので精神的に不調な時期が続きました。
国際会議への論文投稿や他の申請書作成などで気は紛らわせることはできました。

で、学振の不採用通知がきたときは本当にショックで、かつ学振に対してイライラしてました(学振にイライラしても仕方がないけど)

この時に一番最初に思ったのが、ここまで待たされて、しかも大学に残った場合はPDや科研費で同じような思いをするのは嫌だなということ。

それに加えて、新制度に関してまだ情報は出ていないけれど、おそらく日本学生支援機奨学金の返済免除システムと同じように、学内で選考があり評価されるのだろうと。そしてその評価は論文の数が主となって、数が出せる分野の人がもらうのだろう。(新しいよくわからん制度作るなら、学振の枠を増やせよと思ったのは自分だけではないはず。)

そのようなことを考えていくうちに、自分にとって研究は金銭的不安を抱えたまま続けるほど重要なものではないことに気づいてしまいました。

しかし、私は現在実家で暮らしていて学費も大学の給付型奨学金でほとんど払っていない状態です。そういう状況での金銭的不安とは一体なんなのか。

これはたまたま見つけたブログ*2 では、「学振が取れないと怖いというのは、博士課程のある種のモラトリアムだと世間から思われていることに対して、月額20万円を一過性ながらも安定的にゲットできるという、世間体から来るもの、かつ、有能である自分を認めて欲しいという気持ち」と書いてありました。

まさしくこれだと思いました。つまり、自分が金銭的不安だと思っていたものは金銭的不安ではなく、「自分はまだ学生だ」、「同級生は働いているのに」という他人と比べたときの劣等感から来る承認欲求だったということです。

気づいたところでこれが消えるわけではないが、それをずっと思っていても仕方がないのでブログに書いてすっきりしようというわけです。

ここまでマイナスのことばかり書きましたが、学振は良い点もあります。

  1. 申請書を書く時に自分の研究が見つめ直せる。

  2. 申請書ベースではあるが自分の相対的な研究者としてのランクが知れる。

二つ目に関して、「評価されるのは申請書であってあなた自身ではない」という意見を見たことがあるが、自分の中では違うと思います。申請書を書くという技術は研究者として必要で、その上で研究計画や内容が評価されているのだから、申請書の評価はその人の研究者としての評価であるのではないでしょうか。(論文の数は正直あてにならないと思います。)

自分の所属する研究室には博士課程の人はおらず、他の学生と比べて自分がどうかということが判断できないので、このような相対的な評価は自分の今後を考える上でも出してよかったと思っています。

学振が取れれば自分の経歴的にも絶対にプラスになるので今年もめげずに出そうと思います。

学振に落ちて思ったこと1

先日、学振の補欠繰り上げ採用の発表があり不採用となりました。

f:id:sophia_memo:20210226212014p:plain f:id:sophia_memo:20210304190156p:plain (2021年3月4日に補欠者のTスコアが公表されました。計算すると上位26.6%くらいで、合格ラインのTスコアはこの分野では3.5くらいです。)

学振とは

学振は正式には学術振興会特別研究員のことで、今回応募していたのはDC2と呼ばれる博士課程2年もしくは3年から2年間月額20万円がもらえるものです。(少し前に話題になった日本学術会議とは関係ありません。)

で、私は2020年5月に書類を提出して補欠採用になっていました。補欠という結果を見たときに、「今年はコロナやし予算回らんやろうから無理やな」とは思っていましたが、2月下旬まで焦らされて結果不採用は流石に堪えましたね...

学振採用の流れ

2月下旬 : 応募書類が公開
5月ごろ : 大学の受付期間に書類を提出
10月ごろ : 1次審査結果
12月下旬 : 2次審査結果
2月下旬 : 補欠結果

私は1次審査で「二次採用内定候補」で、二次審査で「補欠」となりました。

今回のブログでは初めての学振を経験して、どういう実績で出したのか、書類を作った時のこととか、落ちて思ったこととかを書いていこうと思います。

研究実績(書類提出時)

論文 : 国内雑誌1報 (査読あり)
学会発表 : 国内ポスター3・国内口頭3(招待講演1)
受賞 : なし
その他 : 大学の特別奨学金

修士2年で思い当たるあらゆる学会で発表し、招待講演をさせていただいたこともあって研究実績はそこそこかなと思います。学会発表が考慮されているのかは分かりませんが。
学振を本気で狙うならば、国内雑誌に投稿せずに国際雑誌に投稿すれば良かったと思いましたが、事情があり国内雑誌に投稿しました。

書類作成時の思い出

応募書類の第一版を完成させて担当教授の元へ持っていくと、簡単な指摘を受けたのちに「事務室で見てもらえるから、そっちに出して。」と投げられました。
次に事務室に持っていくと見てもらえましたが、指摘されるのは日本語の文法ばかりで具体的な修正点などは教えてもらえませんでした orz...
次に軽く指摘を受けた箇所を修正し、再度担当教授に提出しました。すると「事務室でOKをもらったのなら大丈夫そうなので、提出しましょう」と。

いやいやいや!! 流石にそれはないでしょう!!

ということで、ネットで過去の申請者の書類を見たり、大上先生の本を読んだりして自分で推敲しました。 しかし昔から文章を書くのが下手くそな私なのでこれではいけないと考えました。
そこで、最後に学科の助教の先生(他分野)にお願いして申請書を見てもらいました。この先生は「図が見にくいらこうすべき」とか、「この文章はこう書いた方が伝わる」とかそれはもう細かく指摘をくれました。この人がいなかったら補欠にすらなっていなかったと思うほどにお世話になりました。


反省点

  • 自分の先生に気を遣って他の先生に見てもらわなかった : 自分の担当教授が「よし。」と言ってるのだから他の先生に見てもらうのは失礼だと考えてしまいました。そこで自分の担当教授まで話がいかない助教の先生にお願いしましたが、もっと多くの先生に見てもらうべきでした。自分のことだから、指導教員に気を遣ってはいけないということを学びました。

反省と言いながら、改めて自分の申請書を見ても何が悪いのかよく分かりません...

まとめ

学振をとっている人の多くが研究室の先輩や先生に熱心に添削してもらったりしているだろうから、その中で補欠であればそこそこ頑張れたのではないかな、とブログを書いていて思いました。
でも不採用は不採用で雑魚書類だったのは確かなので、次こそは採用されるように、でもあまり期待せず申請書を書いていきたいと思います。

次は学振に落ちて思ったことについて書こうと思っています。

iPad無印からiPad Proへ

3年前にiPad 無印の6世代を購入してから文献管理や論文を読むのにずっとiPadを使っていました。しかしながら、6世代のiPadは9.7インチと小柄なのに加えてベゼルが大きく、全体的に使える部分が小さくて使いにくいなと思っていました。また、Apple Pencilの持ち運びと充電が気持ち悪いなと感じていました。

そこで今回奮発してiPad Proの12.9インチを購入しました!!もちろんApple Pencilも一緒。重たい作業をiPadでするわけではないのでProではなくてもいいのですが、12.9インチというサイズに惹かれました。
モデルはiPad Pro(4世代) 128GB Wi-Fiモデル スペースグレイ。自分の持っているMac Bookと色は統一しました。

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思っていたよりも軽くてしかも大きい!!これがかなり重要!! 自分は論文を読むのは基本的にiPadで読んでいて、メモやノートも全てiPadでとります。なのでこの大きい画面はありがたい。iPad Proの画面サイズは体感でiPad6世代の倍ぐらいです。しかも画面フィルムはペーパーライクフィルムということで、書き心地が紙に近い!!

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上が今回買ったiPad Pro12.9インチで、下が今まで使っていたiPad 6世代の9.7インチ



カバーはAppleのSmart Keyboard Folioを購入しました。文字配列はもちろんJIS配列です。以前US配列を買って自分には合わなかったので...

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Cloud Latexを使えばわざわざMac Bookを立ち上げなくても(外で)論文が書ける!!
(必要かどうかは知らない)



総評としては、期待通りの大きさに、いい意味で裏切られた重さ、iPadにくっついてくれるApple Pencilといった感じで買い換えてよかったと思います。
ソフト(自分の能力)が足りない分、ハード(MaciPad)に頑張ってもらうとしましょう。

論文がアクセプトされた話

つい先日「論文がリジェクトされた話」を更新したばかりですが、今回は「論文がアクセプトされた話」です。

8月にある国際ジャーナルに論文を投稿していました。10月の前半に一度目の査読の結果がきてMajor revisionとMinor revisionでした。そして10月末に無事アクセプトとなりました。
メールには「We are pleased to inform you that your submission has been accepted for publication in this journal.」と書いてありました。(一部変更)
以前受け取ったrejectは気分が悪くなりますが、acceptは気持ちいいです。
  

査読について

論文は雑誌に投稿したら査読をうけることになります。査読とは、投稿された論文が雑誌に掲載するに値するかを他の研究者に判定してもらうことをいいます。
査読の結果には4種類あり、

Accept : 採択
Minor revision : 少しの修正が必要
Major revision : 大幅な修正が必要
Reject : 拒否

です。

査読対応で気をつけたこと

指導教員やネットの記事で書かれていた以下の 3つを意識しました。
1. 査読者のコメントには全て答える
2. ひたすら丁寧に
3. 修正をした箇所をわかりやすく

論文を投稿し終えた今の感想

今回は初の英語論文を書いたのですが、英語で書くのが本当にしんどい。特に冠詞のミスは英文校正で指摘されまくりです。何に a を使ってどれに the を使うのかが本当にわからない!!これは今後論文を書くにあたって大きな課題になっています。


これで査読付き論文は修士で1本(日本語)、博士で1本(英語)の計2本となりました。今年は某ウイルスのせいで学会に参加できないため、たくさん論文を書いて業績を増やしていきたいと思います。